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自然はそんなにヤワじゃない

久しぶりにこの手の本を読みました。
前、つまらん本を読んでから遠ざかっていました。

花里孝幸著(信州大学山岳科学総合研究所教授 理学博士 千葉大学理学部卒)で、新潮選書 2009年5月発行です。

まえがきは、
「今、地球温暖化をはじめ、様々な環境問題が話題になっている。そのひとつに生物多様性の喪失がある。多岐にわたる人間活動が絶滅危惧種を増やしているということで、それらの種を絶滅の危機から救う活動が行われている。それに伴って、生物多様性保全や生態系保全という言葉もよく耳にするようになった。これは多くの人が、人類の生存の基盤である生態系を考える機会を増やすことになり、望ましいことと思われる。ところがややもすると、その活動は特定の生物種、または生物グループばかりに目が向き、その生物種を含む生物群集全体、さらには生態系にまで思いが至っていないことがあるように私は感じている。後略」
となっていたので、最初は興味を持って読み始めた。
ところが、“自分の庭に雑草がないのを綺麗な庭だと思っていたが、ドイツ人の友人の庭が雑草だらけなのに自慢していた”例を挙げて、「ドイツ人と日本人の自然に対する考え方の違いを知った」とか、「昆虫やミジンコは温度が高くなると走る速度や泳ぐ速度が早くなる。同じクローンのミジンコを温度の異なる二つのビーカーに入れると、ミジンコが言葉を交わすと仮定すると、それぞれのビーカーのミジンコは喋る速度が異なりコミュニケーションできないのではないか」とか、また、“一事が万事”、“たられば”の本かと思い始めていた。

 読み進むうちに、プランクトン種の現存量と時間的変化や、それの大型種ほど殺虫剤に弱いという実験の話ぐらいから面白くなり始めた。「殺虫剤が生物多様性を上げる」というのだ。
洪水も川の生物多様性を上げるという研究も報告されている、という。これらは「撹乱」が生物多様性を上げる、ということらしい。「“見えない”のは“いない”のではない」という。なるほど。
もうひとつ。「自然だけより人工物があると、人工物も多様性に貢献しているとも考えられる」という。つまり、スケールをどこに置くかで変わるというのだ。
つまり「生態系の善し悪しを考える時に誰を中心にするか、いつを基準にするかによって評価が大きく変わる」と言う。
地球温暖化もまさにこれと同じだ。人間の都合で考えているのである。
そして著者は「人類も自分たちの生存を最大の目的として生きていっていい。中略。そのために不必要な生物種は絶滅させてもよいということになるかも知れない。」と言い切っている。
いいぞ、いいぞ。どう結論付けるか楽しみだ。

 私が最も関心のある水田や里山にも触れてきた。
“かつて水田にいたメダカが絶滅危惧種であるので、かつての水田を守れと言うが、なぜ水田がある前に戻せと言わないのか。」「里山が放置されているので間伐せよと言う。光が入れば下草も増えるし虫も増えると言う。が、放置林はしばらくすると森に戻っていく。森は生物多様性が上がらないのか。”
今まで世間で言われている“里山は生物多様性観点からも残すべし”ということにおかしいと感じていたが、ここまで納得できる話は考えられなかった。
水田を残すのも里山を残すのもやはり「文化」を残すことなのだ。「生物多様性」ではない。副題どおり「誤解だらけの生態系」だ。

 一つ気に入った奇妙な理屈がある。
“ヨーロッパや中国は乾燥地で生物生産量が少なく、限られた食料資源を求めて争いが起き易く、武器の製造技術や戦術が発展した。一方東南アジアの国々は暖かく水が豊富で農業技術が盛んで食料争いが少なく、よって容易にヨーロッパや中国に負けて、植民地にされた。”というのだ。
“ところが、日本は温暖で生物生産量が高いのに、なぜ植民地化されず、しかも教育レベルが高く他国の技術や社会システムをいち早く自国に適用することが出来たのか。「自然災害」だそうだ。自然災害が多いので、それとの闘いが日本人に環境への適応力や創意工夫する姿勢を高めた。”というのだ。
この辺は何の根拠も示していない。憶測だけである。

 時々、強引と思えるようなところはあるが、大枠は自分と共感できた本であった。

以上


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